少女漫画の世界

~乙女のバイブルよ永遠に~

金の国 水の国

このマンガがすごい!2017オンナ編 第1位」の帯につられて購入しました。「町でうわさの天狗の子」以外で初めて岩本ナオ先生の作品を読みます。

以下、ネタバレ含む感想です。

 

金の国水の国 [ 岩本ナオ ]

 

お話は、諍いの絶えない隣国のA国とB国が友好のために縁組をするところから始まります。それは、A国からは国で一番の美女を嫁にやり、B国からは国で一番賢い青年を婿にやるというものでした。

 

そうしてA国の姫サーラの元に、B国で一番賢い青年が婿にくるはずが…輿の中身は!!一方でB国の若者ナランバヤルの元には、A国で一番の美女が嫁にくるはずが…輿の中身は!!なんとA国の王様は猫を、B国の族長は犬を送るというケンカ上等の大人げない行動に出ていたのです。仲悪いです。

 

そんなことは知らずに、国境付近で偶然サーラとナランバヤルは知り合います。この時点でヒーロー役のナランバヤルさんは、ボサボサ頭&不精ひげのお世辞にもイケメン風ではないんです…なんか風来坊って感じです。不安になるイケメン好きの私…この漫画に萌えは訪れるのかしら…

 

その後、サーラが来るはずだった婿の代役をナランバヤルさんに頼んだことによりどんどん2人の仲は近付きます。

 

設計技師であり聡明なナランバヤルさんは、砂漠の中にあるA国の水がほとんど枯れていることに気付きます。豊富な水に恵まれたB国からA国へ水路を引けるように、A国とB国の国交正常化に向けて奮闘します。

 

この辺りから着々とナランバヤルさんがイケメンになっていきます。気のせいではありません。ビフォーアフター並みです。

 

ナランバヤルさんに「お嬢さんが生きている間にA国を水に困らない国にしてえんだ」と言われ、サーラもときめきMaxのご様子です。

 

A国とB国の国交を開こうとするナランバヤルさんは、A国内の開戦派に命を狙われたりします。したたかに事態を切り抜けたり、他の人を味方に巻き込んだりするナランバヤルさん。イケメンで賢くて素敵です。

 

一方でヒロインのサーラが、おっとり(ぽっちゃり)ふんわりで守ってあげたくなる雰囲気なのがまた面白い対比です。いかにもお姫様って感じ。

 

A国とB国の国交を開いて水路を作るために、サーラは何も実質動いていないような?最後の隠し通路を開く手伝いをしたぐらい…基本的にナランバヤルさんのことを待っているお姫様です。でもナランバヤルさんのことを悪く言われたら、相手のケンカを買ったりします。随所で芯の強さが見られて嫌味じゃないです。

 

また画面が作りこまれていて、作品全体の完成度が高いです。サブキャラたちの描写もあり、皆それぞれの思いが交錯する様子が描かれています。

 

そんなこんなで、「このマンガがすごい!2017オンナ編 第1位」というのは納得の大人が読んでも面白い手の込んだ作品でした。知能戦あり、胸キュンあり、感動あり、大満足です。

 

 

大人におすすめのタイムスリップ・異世界トリップ少女漫画10選

おすすめのタイムスリップまたは異世界トリップものの少女漫画を紹介します。

全体的にネタバレなので注意してください!

 

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王家の紋章

王家の紋章(第1巻) [ 細川智栄子 ]

 

少女漫画でタイプスリップといえば真っ先にこの作品!名作なのでご存知の方も多いと思います。まだ読んでいないあなた!お時間がある時に、ぜひ挑戦してみてください。

アメリカの大富豪の娘であるキャロル・リード古代エジプトにタイムスリップして、古代エジプト王・メンフィスと恋に落ちるラブロマンス大河です。現代知識のあるキャロルは他の国の王様や王子様からもモテモテ。彼らによく誘拐されます。それでメンフィスに助けてもらって、また別の人に誘拐されて…(以下繰り返し)こんなに誘拐されるのはキャロルピーチ姫ぐらいですよ。女子がいかにお姫様願望を秘めているかを作者は分かっているんですね。

連載開始は1976年。連載40周年!?さすがに連載開始は生まれる前なのですが、小学生の頃からイズミル王子を応援している私としては、彼が幸せになるまで新刊購入を止められません(涙)

長期連載なのでレンタルで試してみたほうがいいかも

 

プラネット・ラダー

プラネット・ラダー(1) [ なるしまゆり ]

 

幼い頃の記憶が無いヒロイン・かぐや異世界に連れ去られ、彼女が「あなないの娘」と呼ばれる存在であると知らされます。実は多元時空に9つある地球が時空のズレによってもうすぐ全てが衝突して滅びること、その時「あなないの娘」が1つの地球を選んで救うという言い伝えを教わります。かぐやが選ぶ地球はーー?

 異世界トリップといえば、ちゃきちゃき系ヒロインがアクティブに世界に巻き込まれる作品が多いですが、本作のかぐやはおっとり芯が強い系ヒロインです。そのため、悲壮感漂うことなく淡々と話が進んでいきます。なるしまワールドがお好きな方はハマります。

自分が救われる世界を選ばなくてはいけない、その他の世界は滅びてしまうという重圧と戦いながらかぐやが成長していくお話です。いや~、自分だったら勘弁願いたいです。

 

彼方から

彼方から(第1巻) [ ひかわきょうこ ]

 

女子高生ヒロイン・立木典子が言葉も通じない異世界に飛ばされ、青年・イザークと出会います。共に旅するうちにお互いに惹かれあう2人ですが、実は2人は結ばれてはいけない関係だったのです!ああ、でも運命のイタズラなのか出会ってしまった2人!っていう異世界ファンタジーラブストーリーです。

最初はまったく異世界語が理解できない典子が、ちょっとずつ話せるようになるなど異世界描写がそれっぽいです。生まれてからずっと孤独だったイザークに初めて安らぎを与えた典子、っていう設定がまたベタで良いです。少女漫画はそうこなくっちゃ!

もちろんハッピーエンドなのでご心配なく!

 

アシガール

アシガール 1 [ 森本梢子 ]

 

足が速いだけがとりえの女子高生ヒロイン・速川唯が弟の作ったタイムマシンでうっかり戦国時代にトリップしちゃって、若君(羽木九八郎 忠清)に一目惚れしたため、戦国時代で生きる決心します。史実では戦死してしまう若君の命を助けるべくが孤軍奮闘するお話です。6巻の若君からの抱擁には、萌えすぎて鼻血が出るかと思いました。連載中なので気になる伏線いっぱいです。

注目すべきは、少女漫画のヒロインとは思えないの女子力の低さです。ヒロインなのに変顔が多くて面白いです。それに対して若君が格好良すぎて、と一緒になって「キュウ~ン」ってしてしまいます。

若君の命は助かるのか。若君の夢見る未来は実現できるのか。今新刊が楽しみな作品の一つです。 

 

リョウ

リョウ(4) [ 上田倫子 ]

 

女子高生ヒロイン・遠山りょうは、謎の男・弁慶に出会い、自分の正体が歴史上の人物・源義経であると知ります。弁慶と共に平安時代に戻るりょうを待ち受ける運命とは――!?

 ネタバレなしで最終回まで読んでいただきたい作品です。最初は、よくある戦国武将は実は女でした、なんちゃって歴史ファンタジーかと思って読み始めるんですが…

連載当時、小学生だった私はラストの展開に呆然としましたよ。切なすぎる…これは…なんでハッピーエンドにしなかったの!?と作者にお手紙を送ろうかと思ったぐらいです。大人になって読めば、まあ、りょうにとってはこれで良かったのだろうか…と思えるような、思えないような。

何度も読み返したくなる作品です。

 

銀のヴァルキュリア

銀のヴァルキュリアス(1) [ さちみりほ ]

 

普通の女子高生ヒロイン・神那木琉花異世界に飛ばされ、実は異世界の女王の生まれ変わりでしたというところから、戦いに巻き込まれていくお話です。うんうん、ありがち、ありがち。しかし、この異世界の設定が面白いです。彼女が飛ばされた世界は、女性が男性を支配するアマゾネス世界なのです。

内気で泣き虫の琉花が、アマゾネス世界で強く成長していく物語です。絵が古臭く感じる方もいるかもしれませんが、この古臭い(失礼)絵と使い古された設定が相まって王道ファンタジーって雰囲気が出てるんですよ。これぞまさに秋田書店って感じ。

ラストも一発逆転ホームランなく、安心して読めます。 王道好きなら異世界トリップの中でも外せない作品です。もっと売れても良かったと思うですがね。

 

ふしぎ遊戯

ふしぎ遊戯(第1巻) [ 渡瀬悠宇 ]

 

な、懐かしい~!アニメにもなった作品なので今更あらすじとか紹介する必要ないと思いますが、異世界トリップ漫画といえば挙げない訳にはいかない作品ですよね。

女子高生ヒロイン・夕城美朱と親友・本郷唯が、本の中の世界に飛ばされてすったもんだなお話です。

 まあ、ヒロインのモテ具合がものすごいです。乙女の願望が炸裂って感じで、大人になって読むとちょっと恥ずかしいぐらいです。こんなにチヤホヤされて美朱が羨ましい限りです。おちゃめで憎めないヒロインも魅力的ですが、それよりなにより登場人物がイイ男揃いです。私は柳宿が大好きでした!泣きぼくろに憧れました。

 

ゴールデン・デイズ

ゴールデン・デイズ(1) [ 高尾滋 ]

 

男子高校生の主人公・相馬光也は、曽祖父の「もしも時が戻るなら…あいつをきっと助けに戻るのに」という声とともに、大正時代へタイムスリップしてしまいます。曽祖父とそっくり光也はタイムスリップ先で曾祖父と間違われます。なぜか光也と入れ替わりで消えた本物の当時16歳の曽祖父、曽祖父の後悔とは何だったのか、光也は謎を探します。

 花とゆめで連載されていましたが、少年同士の友情と恋愛を描いた作品です。タイムスリップの醍醐味である時間の壁が、無二の存在になった2人を阻みます。もう涙、涙。終盤は切なすぎて胸が痛い。究極の愛って相手の幸せを願うことなんですね。相手が幸せなのが、自分にとって一番幸せ。

高尾先生の作品の空気感、セリフ、キャラの表情ともう最高です。

 

天は赤い河のほとり

天は赤い河のほとり(第1巻) [ 篠原千絵 ]

 

女子中学生ヒロイン・鈴木夕梨が、古代ヒッタイト帝国へタイムスリップしてしまい、皇位継承権争いや他国との戦争に巻き込まれます。やがて夕梨は戦いの女神と呼ばれるようになり、最終的にはヒッタイトの皇妃となるまでを描いたファンタジー作品です。

 同じように古代へタイムスリップする作品「王家の紋章」と似ている作品として挙げられる作品ですが、こちらの方が展開がスピーディでストーリーの幅が広いです。いや、「王家の紋章」はループ感を楽しむ作品なんです(笑)

本作のヒロインは王子様の助けを待っているだけの女の子じゃないのが現代風です。賢くて行動的な(じゃじゃ馬?)夕梨が活躍して、どんどん周囲に認められていく姿はスカッと気持ち良い勧善懲悪ストーリーです。

 

紅茶王子

紅茶王子(第1巻) [ 山田南平 ]

 

女子中学生ヒロイン・吉岡奈子が友人達とアッサムアールグレイという2人の紅茶王子を呼び出して、なんやかんやの学園ラブストーリです。ヒロインが異世界トリップするのではなく、異世界トリップしてきた王子様と恋に落ちるお話です。

紅茶王子は紅茶の妖精でいいんでしょうか?作画に安定感あるので、紅茶王子達はデフォルメされた三頭身姿がめっちゃ可愛く、人間サイズになった時の格好良さとギャップにドキドキします。

柱の作者メッセージは読まない方が作品に集中できるかも(笑)

 

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【完結済み】懐かしい名作おすすめ少女漫画12選

懐かしい名作おすすめの少女漫画を紹介!完結済みの作品です。コメディやシリアス、ジャンルごちゃまぜです。

全体的にネタバレなので注意です!  

 

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OZ

OZ(第1巻) [ 樹なつみ ]

 

大きな戦争で人類全体が壊滅状態となった近未来世界が舞台です。飢えも戦争もないOZ(オズ)という科学者たちが創った伝説の科学都市を目指す、ヒロイン・フィリシアと彼女の傭兵・ムトーのお話です。科学者でOZにいるというフィリシアの兄・リオンに誘われてOZを目指すフィリシアですが、だんだん残酷なOZの正体が明らかになっていきます。

「核戦争後の荒廃した近未来のファンタジー」って90年代によく見かけた設定ですが、この作品は人造人間を登場させての切ないお話が上手いです。名台詞「おれな…心は…あいつの所に置いてきてしまったんだ…だから…(中略)これで良ければ…おまえに…やるよ…この体…おまえに…やる―――」からのラストシーンの一面の麦畑は涙なしには読めません。

 

先生!

先生!(1) [ 河原和音 ]

 

女子高生ヒロイン・島田響とその学校の教師・伊藤貢作の青春ラブストーリーです。少女漫画には、教師と生徒の恋愛ものっていっぱいありますよね。少女にとって身近な「大人の男性」である先生は憧れの存在。

でも大人になってから読むと、教師が生徒に手を出すなんて倫理的にどうなんだ…ともやもや思ってしまうことがないですか?しかし!本作は不器用な伊藤先生の葛藤やの揺れる思いをしっかり描写されていて、そんな気持ち悪さがない!そうだよね。先生って生徒から見ると大人だけど、まだそんな完璧な大人じゃないよね。大人になってから読むとなんだか伊藤先生に共感しちゃったり。「教師もの」のジャンルでは一押しの名作です。

 

ニューヨーク・ニューヨーク

ニューヨーク・ニューヨーク(第1巻) [ 羅川真里茂 ]

 

ニューヨークを舞台にゲイの人々を取り巻く問題をテーマに描かれています。主人公・ケイン・ウォーカーメル・フレデリクスの男同士の恋愛を軸に、2人が様々な問題に立ち向かいながら幸せになります。どシリアスです。けっこう辛いエピソードも出てきます。(作者の絵柄のせいもあって)作品全体が濃いです。これを「花とゆめ」で連載していたなんて…

ゲイであることを周囲に隠しているケイン、元彼との別れが心の傷になっているメルHIVで亡くなるゲイの同僚、ゲイを嫌悪するクリスチャンの母親…登場人物がそれぞれ自分の信じる生き方と矛盾と偏見と戦っています。

 

甲子園の空に笑え!

甲子園の空に笑え! [ 川原泉(漫画家) ]

 

川原教授流スポコン漫画です。新任教師・岡真理子(野球未経験)が超弱小野球部の監督を任され、「県予選1回戦突破」を部員9名と目指します。あれよあれよと、県予選どころか甲子園へ出場してしますが――!?というお話です。しかし、このスポコンかなりゆるいです。このノリが大好きです。

ちなみに文庫版に同時収録されている「銀のロマンティック…わはは」は私のベスト川原作品の一つです。こちらは当時まだ珍しかったフィギュアスケートのお話です。スポーツものなのに読後感の切なさは秀逸です。タイトルがまた効いてます。

 

薔薇のために

薔薇のために(第2巻) [ 吉村明美 ]

 

唯一の身内である祖母を亡くしたヒロイン・枕野ゆり(ぽっちゃりブス)は、自分が大女優の隠し子であることを知り、母に会いに行きます。そこで個性的な3人の異父姉兄弟(全員美形)と出会い、さらに複雑な出生の秘密が明かされます。母と姉兄弟から、最初は家政婦代わりにぞんざいな扱いを受けるゆりですが、その純粋な性格からだんだん皆に受け入れられていきます。

意地悪そうな家族ですが皆それぞれ胸に抱えた思いやトラウマがあって、それらがゆりを中心に大きく動いていく作品です。笑える場面もいっぱいですが、思わずほろっとくる場面・台詞もいっぱいです。私のおススメは次兄のです。初期とのふり幅に注目です。

 

世界でいちばん大嫌い

世界でいちばん大嫌い 完全版(1) [ 日高万里 ]

 

女子高生ヒロイン・秋吉万葉とオネェ系?美容師・杉本真の恋愛ストーリーなのですが…最初に言っておきます。なかなかくっつきませんよ。2人の家族の問題とか周囲の人間のお話だとか、寄り道いっぱいです。ですが、どの問題も少女漫画的解決するから心配いりません。

少女漫画はくっつくまでが楽しいと思っている私はいいですが、じれったいと思う人もいるかな。でも女子高生らしさというか初々しさがあって万葉は可愛いです。万葉の弟妹のお話が「秋吉家シリーズ」として、いっぱい出ています。時系列はどれも本作の後になっているので、万葉のその後が垣間見れます。

 

輝夜姫

輝夜姫(第1巻) [ 清水玲子(漫画家) ]

 

女子高生ヒロイン・岡田が2人の少年にヘリコプターで(!)誘拐され、米軍主催の非公式キャンプに参加させられる…ところからお話が始まります。すごい設定ですね。すごい設定はまだまだあります。実はは赤ちゃんの頃たけやぶに捨てられていて、なんやかんやあって今は養母とその実子・まゆと生活しています。養母には同性愛的行為をさせられるし、まゆには異様なほど執着されて束縛されてるし…実は養女としてが引き取られる前に暮らしていた施設はなんとーー!という具合にすごい設定はまだまだ続きます。書ききれません。

長期連載のため、途中でストーリーがかなり迷走してます。清水先生は短期連載の方がお得意なのかも。でもそれを補って余りあるほど、画面の美しさ・キャラの萌え要素・圧倒的な世界観です。BL描写がお嫌いな方はご注意を。途中で出てきます。

 

BANANA FISH

BANANA FISH(第1巻) [ 吉田秋生 ]

 

ニューヨークのスラム街でストリートキッズのボスをしているアッシュと偶然出会った日本人大学生・奥村英二の友情物語です。ふたりは謎の「バナナフィッシュ」という存在を追ううちに、どんどん大きな事件に巻き込まれていきます。

アッシュは孤独で心に傷を抱えた超・超・超絶美少年(しかもIQ180以上)なのに対し、英二は優しい平凡な日本人。しかしアッシュの心の闇を溶かしたのは英二の見返りを求めない愛と友情なのです!ここがたまらん!愛といっても恋愛ではなく人間愛です。そんな英二アッシュの中で唯一無二の存在になっていきます。友情と恋愛のギリギリのラインでふたりは固く結ばれるのです。

話の構成も良くできていて、最後までドキドキさせてくれます。ラストシーンは是非ご自分で確認してください!不朽の名作ここにあり、です。

 

キス

キス(第1巻) [ マツモトトモ ]

 

女子高生ヒロイン・小川加恵と彼女のピアノ講師・五嶋の恋愛ストーリーです。どSな彼と振りまわれるヒロインという話自体は普通の少女漫画です。(と見せかけて、実はヒーローの方がヒロインに振り回されているのもお約束ですよね。)

しかしピアノの楽曲がモチーフになったり、モノローグ・画面構成・台詞回しなど「魅せる演出」が素敵です。独特のテンポというかおしゃれなセンスが本当に引き込まれます。おしゃれ!タイトル通りキスシーンがしばしば出てきますが、どれも絵になるシーンです。ただの少女漫画恋愛ストーリーと侮らないでいただきたい。

 

Mars

Mars(2) [ 惣領冬実 ]

 

内気で地味なヒロイン・麻生キラと学校一のモテ男・樫野零の恋愛ストーリーです。内気で友達のいないキラがだんだんに惹かれていく様子を微笑ましく読んでいたら、あらあら…え!?と衝撃のキラの過去が明かされ、続いての過去も明らかになり…重いです。

どんなことがあってもお互いを思う強さが揺るがない絆は、出会うべくして出会ったまさに「運命の恋人」という感じです。オートレースという非日常の世界も要素になって、ただの高校生恋愛の重さではないです。

 

残酷な神が支配する

残酷な神が支配する(第1巻) [ 萩尾望都 ]

 

母子家庭で母親思いの高校生・ジェルミが巻き込まれていく、残酷な世界です。うん。まさにタイトル通り。

母親が再婚し、継父から性的虐待をされるが、精神的・肉体的に弱い母親を思って母には相談できないジェルミ。あまりにエスカレートしていく行為に我慢できなくなったジェルミは、継父の殺害を計画します。これがさらなる悲劇を招いてーー!?明るく普通の高校生だったジェルミがどんどん転落していっちゃいます。見ていてこっちが辛くなるぐらいです。 

 他者を信用できなくなってしまったジェルミ。彼の救いはこの世界にあるのか。人の破滅と救いを描いた名作です。

  

×-ペケ-

×-ペケー(第1巻) [ 新井理恵 ]

 

ある高校を舞台にした4コマ漫画です。主人公が1人ではなく、小題ごとに主人公がいて、それぞれが独立した話として連作になっています。

それまで4コマといえばデフォルメされたキャラでほとんど描かれていたのに、本作はほぼ9頭身キャラが登場するという画期的な作品です。こんな小さなコマにこんなに描き込んで…しかもかなり笑いがシニカル・シュール・被虐的…面白いです。

4コマの作品内容も面白いのは間違いないのですが、小題横の作者コメントがだんだん壊れていくのも気になります。新井先生…精神的に大丈夫ですか…?

 

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【歴史もの】大人におすすめ少女漫画10選!

おすすめの歴史もの少女漫画を紹介!完結している作品から連載中の作品まであります。主人公が現代から時空を超えちゃう、いわゆるタイムスリップものは除いています。

以下、全体的にネタバレなので注意です!

 

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ちょっと江戸まで

ちょっと江戸まで(第1巻) [ 津田雅美 ]

 

舞台は架空の江戸時代っぽい現代ですが…社会背景や人物衣装などは江戸時代そのものなので、歴史ものという扱いだと思います。身寄りが無く、山奥の村や箱根の宿場で育てられていたヒロイン・そうびが、実は旗本家のご令嬢で、江戸の旗本家に引き取られることに…というシンデレラストーリーです。

 いや、最終話まで間違いなくシンデレラストーリーなんですけど…なんか違うような…作者の代表作「彼氏彼女の事情」もそうですが、ちょっと変わった恋のエッセンスがお好きなんでしょうか…

 江戸の時代考証がとても詳しくて、少女漫画だけど突っ込みどころなく読めます。ちょんまげ男子を、真正面からかっこよく描いている数少ない少女漫画です。大体ヒーローは総髪でごまかしてますよね…しかし本作はヒロインの兄・貴晄様のちょんまげ姿が素敵!私のちょんまげ萌えの扉を開いてくれた作品です。

 

Daddy Long legs

Daddy Long legs [ 勝田文 ]

 

題名でお分かりの通り、「あしながおじさん(原作:ジーン・ウェブスター)」のリメイク漫画化です。舞台は昭和初期の日本です。勝田先生のノスタルジックな作風の絵があしながおじさんの世界観を見事に作り上げていて、勝田作品の中でも特に大好きです。

世界名作劇場を見ても、原作読んでも、いまいち「あしながおじさん」が何を考えているのか分からず感情移入できなかった方も安心です。この作品は、あしながおじさん辺見千博視点からもお話が進みます。おじ様に感情移入しながら、ヒロイン・井出樹に感情移入しながら、両側からニヤニヤできます。

さらに何と言っても、昭和初期のオシャレな服装・背景がこの作品の雰囲気を盛り上げています。そもそも文通って現代っ子はしないですよね。メール?ライン?う~ん…現代設定ではこの空気感が出ないです!

 

一清&千沙姫シリーズ

お伽話を語ろう [ 柳原望 ]

 

仮空の戦国時代が舞台です。大きな国の姫君であるヒロイン・千沙が、隣国の弱小国の国主である一清へ嫁いできてからの夫婦ドタバタラブコメです。

一見するとただのわがまま姫の千沙ですが、一清様への一途な気持ちがまっすぐで可愛いです。やっぱり女子は素直が一番なんだな…と感じさせられる作品です。素直な千沙のわがままに周囲はずっと振り回されっぱなしです。でもついつい許しちゃう…本当の女子力ってこういうことだと思います。

シリーズは、お伽話を語ろう→そうしてお伽話になる→わがまま姫の反乱→お日さまとお月さま→1/10のないしょ話→お伽話がきこえる全3巻と続きます。

  

大正ガールズエクスプレス

大正ガールズエクスプレス(5) [ 日下直子 ]

 

舞台は大正時代の全寮制女学校です。ジャーナリストを目指すヒロイン・美杉千世は、新聞には不可欠な風刺画を投稿しようとしますが、致命的に絵が下手…一方、借金の形に売られて女衒から逃走中のもう一人のヒロイン・よし子は、女学校の屋根裏に潜んでいるところを千世にかくまわれます。絵の才能だけに満ち溢れたよし子と女性の活躍できる社会を望む千世、2人の巻き起こすドタバタギャグです。

よし子の描く絵が可愛いような…面白いような…どっちかって言うと笑いを誘います。だって風刺画なのに乙女チック炸裂です。

この時代の女子は、自分が思ったとおりになんか生きられなかったんでしょうね…ギャグ漫画ですが、女であることを言い訳にして諦めない!というメッセージを受け取る作品です。 

 

あさきゆめみし

あさきゆめみし(1) [ 大和和紀 ]

 

ご存じ源氏物語を漫画化した作品です。わたしは受験を本作で乗り切りました。それぐらい原作の源氏物語に忠実に表現されています。原作を現代語訳したセリフが多く、先に本作を読んでいれば大体テストで現代語訳できました。大和先生すごい…その節はありがとうございました。

平安時代という現代とはかけ離れた世界ですが、愛を求めて生きる人々がリアルに感じられる作品です。平安時代の貴族は同じ髪型(全員黒髪)、同じような衣装なので描き分けが難しかったんじゃないでしょうか。でもけっこう顔だけで見分けられます。ここも作者の腕の見せ所ですよね。 

光源氏がただのマザコンロリコンの女好き…ってだけになってないんです! 

 

パレス・メイヂ

パレス・メイヂ 1 [ 久世番子 ]

 

日本の明治時代をモデルにした架空の国・時代が舞台です。宮中へ出仕勤めを始めた主人公・御園公頼と女帝・彰子様の物語です。聡明で美しい彰子様ですが、結婚も出産も許されない身。2人の身分も違いますし、少女漫画らしい大団円となるのかどうか…まだまだ連載中なのでどうストーリーが展開するのか、楽しみな漫画の一つです。

明治時代をモデルにしていて、かなり調べてるな~という感じです。あっさりめの絵柄で、時代背景などの設定が浅くないので大人も満足して読めます。

暴れん坊本屋さん」で有名な作者ですが、個人的にはエッセイではなくストーリー漫画である「少年愛の世界」が大好きなので本作も上手にまとめてくれると信じています。

 

なんて素敵にジャパネスク

なんて素敵にジャパネスク(第1巻) [ 山内直実 ]

 

平安時代を舞台に、内大臣家の娘であるヒロイン・瑠璃が巻き起こすドタバタコメディです。続きに「なんて素敵にジャパネスク人妻編」があります。おてんばな瑠璃と婚約者で後に夫になる高彬のラブストーリーもありますが、二人はけっこうあっさりくっつきます。吉野の君はいいの?って感じです。

平安時代の風俗や人々の暮らしが分かりやすく描かれていて、歴史に詳しくない方もとっつきやすい作品です。 私は子供の頃大好きで、コバルト文庫の原作まで読んでいました。コバルト文庫、懐かしい~!

 

レディー・ヴィクトリアン

レディー・ヴィクトリアン(1) [ もとなおこ ]

 

舞台は19世紀末ヴィクトリア朝のイギリスです。家庭教師の資格を持って田舎からロンドンに出てきたヒロイン・ブルーベル(ベル)は、2人の青年に出会います。その出会いが彼女の運命を変える、少女漫画王道ラブストーリーです。

絵柄がコテコテの少女漫画風で、ヴィクトリア朝のフリフリドレスを描くにはぴったりの作風です。ベルが一生懸命で可愛いので、少女漫画ヒロインらしく男性にモテモテなのも納得です。最初は可愛らしいラブストーリーなのかな?と思っているとだんだんシリアスな展開も出てきて引き込まれます。

女装ものは数多くあれど、この漫画に登場するアージェント・グレイ氏ほど徹底して女子と男子の時に別人みたいなキャラは少ない…彼のレディっぷりはこの漫画の大きな見所の一つです。いや~でもまさかあんなラストだとは。

 

ベルサイユのばら

ベルサイユのばら完全版(1) [ 池田理代子 ]

 

歴史ものと言えば外せない作品です。圧倒的なストーリー構成力・人物描写でフランス革命という難しい題材を難なく読ませます。軸になる登場人物は3人です。男装の麗人オスカルは貴族ですが、フランスの現状に危機を感じ、革命の必要性に気付きます。フランス王妃・マリーアントワネットは革命が起こると無事では済まされない立場です。そんなマリーアントワネットを命を懸けて助けようとするスウェーデン貴族・フェルゼン伯爵。3人の恋愛模様とフランスの危機が絡んで、大人になって読んでも本当に良く出来た作品です。

フランス革命が起こって欲しいような、起こって欲しくないような…歴史の顛末を知っていても、手に汗握ってドキドキしながらページをめくってしまいます。

 

マダム・プティ

マダム・プティ(第1巻) [ 高尾滋 ]

 

舞台は1920年代末の日本やフランスです。16歳のヒロイン・万里子は、父が残した借金返済のために父の親友であった青山俊(※30歳以上年上!)と結婚します。2人が新婚旅行のパリへ行くために乗ったオリエント急行で事件が起きる―!?というお話です。最初は4回連載の予定だったみたいで、現在はオリエント急行を降りた後のお話が連載中です。

万里子がこの時代の着物や洋装をオシャレに着こなしていて、レトロ好きの胸をわしづかみされます。髪型もちょっとずつ違うのが女の子らしくて良いです。

俊様万里子のおじ様&少女の恋愛を期待してはいけません。今は俊様は登場せず、インドの王子様・ニーラムにヒーローの座を明け渡しています。今後は俊様再登場もあるのでしょうか。(期待)

 

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アラサー女子が懐かしい!講談社「なかよし」のおすすめ作品 ~90年代

講談社が発行する月刊少女漫画雑誌『なかよし』、私も大好きでした。ちょっとファンタジーで可愛い絵柄の作風が多かったように記憶しています。90年代に連載された懐かしい『なかよし』漫画作品を紹介します。※ネタバレ注意です。

 

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怪盗セイント・テール 立川恵

怪盗セイント・テール新装版(1) [ 立川恵 ]

 

(連載)1994年~1996年

(あらすじ)父がマジシャンで自身も手品が得意なヒロイン・羽丘芽美は中学2年生。見習いシスターの親友と共に「迷える子羊」たちを救うべく、夜は怪盗セイント・テールとして活躍するお話です。まるで魔法のように手品が使える芽美に憧れました…昼は普通の中学生、夜は怪盗(※可愛いコスチューム)っていう設定が乙女の変身願望を刺激します。

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ようこそ!微笑寮へ あゆみゆい

ようこそ! 微笑寮へ なかよし60周年記念版(1) [ あゆみゆい ]

 

(連載)1994年~1996年

(あらすじ)ヒロイン・間島麻琴が全寮制の微笑学園に入学して、同室の美笛・さよりと繰り広げる学園青春ラブストーリーです。微笑寮は恋愛禁止のはずですが…あれ?なんだかんだ皆恋してる?しかも皆それぞれ事情があったりして全寮制の学園に来ています。ラブあり、思春期あり、友情ありです。自分と同じ名前の男の子と恋愛するなんて、当時の私の中で斬新でした。それにしてもミサンガ…流行ってましたよね。

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きんぎょ注意報! 猫部ねこ

きんぎょ注意報!(1) [ 猫部ねこ ]

 

(連載)1989年~1993年

(あらすじ)田舎ノ中学に転入してきた藤ノ宮千歳と田舎ノ中学校の生徒・わぴこ、北田秀一、葵を中心としたドタバタコメディです。お金持ちだったけれどお父さんの死&会社の倒産で財産を失ったちーちゃんが連れてきた「ぎょぴちゃん」。この空を飛ぶピンクの金魚が実は――!?とにかく終始ハイテンションギャグです。金魚が空を飛んだり、牛や鶏が中学校に通っていたり…かなりぶっ飛んでいます。クールだけどバーゲン好きの葵ちゃんが好きでした。

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ミラクル☆ガールズ 秋元奈美

ミラクル☆ガールズ(1) [ 秋元奈美 ]

 

(連載)1990年~1994年

(あらすじ)一卵性双生児のヒロイン・松永ともみと松永みかげの秘密は、2人が揃うと超能力が使えること。しかし2人は別の中学校に通っているので、双子だと誰も知りません。運動が苦手なみかげが、運動が得意なともみに入れ替わってもらって体育大会を乗り切ろうとするところからのドタバタラブストーリーです。性格の正反対の2人がけんかしたりしながら、大人になっていきます。双子で入れ替われるほどそっくり、2人で超能力が使える、2人ともカッコいい彼氏が出来る等、うらやましいポイント盛りだくさんのお話です。

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魔法騎士レイアース CLAMP

魔法騎士レイアース 新装版 (1) [ CLAMP ]

 

(連載)1993年~1996年

(あらすじ)東京タワーでの社会見学中に出会ったヒロインたち・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風は、東京タワーから異世界セフィーロ」に召喚されます。3人はセフィーロを救うため、セフィーロの“柱”であるエメロード姫を探す旅に出ます。異世界もので可愛い絵柄とモコナにほわほわしながら読んでいたら、エメロード姫の結末に驚きました。本格的な剣と魔法の王道ファンタジーです。

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美少女戦士セーラームーン 武内直子

美少女戦士セーラームーン完全版(1) [ 武内直子 ]

 

(連載)1992年~1997年

(あらすじ)ヒロイン・月野うさぎがある日、額に三日月マークがあり人間の言葉を話す黒猫のルナと出会います。ルナに導かれてうさぎは美少女戦士セーラームーンとなり、世間の平和を守ります。戦いの中で多くのセーラー戦士の仲間たちと出会っていきます。「なかよし」と言えば外せない作品の一つ!アラサー世代で知らない方はいないでしょう。今でもアニメのオープニング曲を歌える人は多いはず。

 

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椿町ロンリープラネット(やまもり三香)1巻

 「ひるなかの流星」でご存知の方も多いはず、やまもり三香先生の新連載「椿町ロンリープラネット」です。表紙の可愛い女子にドキドキ…

以下、ネタバレ含む感想です。

 

 

椿町ロンリープラネット(1) [ やまもり三香 ]

 

ヒロイン・大野ふみは父の借金返済のために、「木曳野暁(きびきの・あかつき)」という作家先生作家の家で住み込み家政婦をすることに。どんなお堅い文豪の作家先生かしら…とドキドキしながら先生のお宅に到着すると、そこには怪しい青年が倒れていて…!?

 

そうです、その青年こそ木曳野暁先生です。少女漫画における王道の出会いです。

 

ふみが家政婦だと知って「小娘じゃねぇか めんどくせぇ」と言ったり、

ふみの居住空間としてパーテーションで区切っただけのスペースを与えたり、

家政婦として面倒をみようとするふみに「家族ごっこなら家でやれ」と言ったり…

すごく嫌な作家先生です。

 

でも木曳野先生は仕事熱心で(ふみは小説を読んでファンになります)、ふみの父親は出稼ぎに行っていてふみは一人きりになっていると知ると、心動かされたらしくちょっと優しくなります。ちなみにふみのお母さんはすでに亡くなっています。

 

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父と暮らしていたアパートが懐かしくなってアパート前で立ちすくしているふみを木曳野暁先生が迎えにきたり、

ふみの居住空間に木曳野暁先生は自分の寝室を明け渡したり、

木曳野暁先生がふみに「おかえり」と言ったり…

2人が仲良くなる王道展開がサクサクスピーディです!

 

ある日、下着ドロボーと遭遇したふみを木曳野先生が助けてくれます。今まで頼りない父を支えて一人で家のことを引き受けてしっかり者として頑張ってきたふみ。今回の件で「オレが守ってやる 頼れ」と言ってくれた木曳野先生に対してこう思います。

 

「あの時 先生の声がした瞬間 私は今まで感じたことがないくらい 安心したんだ」

だよね~~~!そうなるよね~~~!

 

2人が順調に距離を縮める一方で、ふみのクラスに転校生・相生一心が転入してきます。昔、ちびっ子マラソン大会で優勝商品目当てのふみに負けた一心は、ふみに恨みを持っています。

 

ふみは宝物を一心に拾われて、一心の「子分」にさせられます。好きな子をいじめる小学生のようですね。今後、彼は立派な当て馬に成長してくれるんでしょうか?期待です。

 

熱を出した木曳野先生のお世話をしている中で、先生の優しい顔を新たに知って嬉しいと感じるふみ。「この感情は なんなのかな?」って、あんたそりゃ恋ですよ。

 

そんなこんなで2巻に続きます!

木曳野先生がふみのことを「娘」って呼んでいるのが可愛いです。いつか名前で呼ぶんだろうな…と思うと少女漫画好きの胸が熱くなります。

全体的に王道設定で王道展開な1巻でした。同居ものがお好きな人には外さないな、という感じです。ありがちとも言えなくないような。それにしても、ヒロインのセーラー服にエプロン姿がたまらんです。

 

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天堂家物語(斉藤けん)1巻

待望の第1巻「天堂家物語」が発売されました!ララDXで連載中なので、発売まで長かったです…以下、ネタバレ含む感想です。

 

 

天堂家物語(1) [ 斎藤けん ]

 

 天堂家(名家っぽい)に花嫁がきたところから物語スタートです。しかし、しょっぱなから花婿・天堂雅人がえらくご立腹です。それもそのはず、花嫁はニセモノだったのです!

 

本物の花嫁である伯爵令嬢・鳳城蘭は、天堂家の物騒な跡目争いを恐れてお嫁に来る途中で逃亡して川に身を投げちゃいます。それをたまたま助けた娘が、自ら身代わりを申し出てニセモノ花嫁としてやってきたというわけでした。

 

捨て子だったところを、山奥に暮らしていた「じっちゃん」に拾われたというその娘。1番辛い設定なのが「じっちゃん」が亡くなって、後を追おうとしましたが失敗して死に場所を探してるんです。しかも、人助けを信条としていた「じっちゃん」に自分で命を絶つことを許してもらうため、人を助けた結果として死にたいと。鳳城蘭の身代わりになったのも、ばれて殺されるならそれで良いと。

執念です。すごいです。ずっと一貫してます。

 

作中、娘はいろんな人を助けて死のうとするのですが、「じっちゃん」に体術・棒術・弓術・薬法・蘇生法などを教わっていて生きる術に長けているので、なかなか死ねないんです。でも彼女は「じっちゃん」がいないのに、生きる意味がないともがいてる…

雅人は娘のそれら特技に利用価値を感じ、娘が「じっちゃん」に向ける執念を自分に向けさせて利用したいと思います。彼は天堂家の中でなにやら野望がある様子…

 

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そんな彼が取った行動は…

 

娘と「じっちゃん」が住んでいた家を燃やします。

「じっちゃん」の位牌を踏みつけます。

 

心の支えだった「じっちゃん」との思い出が壊されて、精神的にぼろぼろの娘。

そんな娘に雅人が言います。

「お前に生きる意味を与えてやる 蘭 死ぬときは俺を守って死ね」

あんた、彼女にあれだけ散々なことしといて…!

 

でもこの後、娘はめちゃめちゃ吹っきれて「雅人様を守って死んで晴れてじっちゃんのところに行きます!」と、じっちゃん(位牌)に報告しているので、これで良かったみたい…生きる意味ができたということなんでしょう。

 

引き続き、天堂家で鳳城蘭の身代わりをつとめる…というところで2巻に続く!です!

途中の雅人のセリフでお分かりの通り、主人公の娘はずっと「蘭」と呼ばれていて本名が出てきません。「じっちゃん」にも「チビ」と呼ばれていたみたい…もともと捨て子だし、名前とか戸籍とか無いってこと??そのあたりも気になります。

 

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