少女漫画の世界

~乙女のバイブルよ永遠に~

アシガール(森本梢子)5巻

アシガール6巻が2015年8月25日発売!

待ち遠しいので先に5巻の感想を書いておこうと思います。5巻は濃かった!

以下ネタバレ含みます。

 

 

アシガール 5 [ 森本梢子 ]

 

4巻で胸に傷を受けた若君を現代に送って命を助けた唯。5巻ではその働きを評価され、若君の警固番に取り立てられたところ、小平太の父から修行をうけることに…

 

その修行から逃げ回る唯に!若君が優しく言うんですよ!

「…いっそのこと、女子であると明らかにして奥に入って暮らすか?」

「その方がわしも安心できるし」

きゃ~~!プロポーズ!続くトドメの一言!

「毎夜会いにゆける」(若君スマイル付き)

 

若君の発言に唯が慌てていると、唯を探す小平太と鐘ヶ江の姫からの手紙が届きます。小平太から逃げつつ物陰から様子をうかがう唯の前で、鐘ヶ江の姫に今夜会いに行くと約束する若君。明日は自分と遠乗りする約束したのに、今夜は鐘ヶ江の姫のところへ行くなんて…と唯はショックで次の日の若君との約束をすっぽかします。乙女心…ぐすん…

 

その夜、遠乗りの約束をすっぽかした唯が具合でも悪くなったのではないかと心配して若君が会いにきます。電話がない時代って一番手っ取り早い連絡手段は、直接会いにいくことよね~と私は懐かしい気分に(笑)

「私っ…君鐘ヶ江の姫の所に行くの嫌だー」「嫌なのだーー」

と涙と鼻水を出しながら、訴える唯。まさにぶさかわです。若君は、唯の様子がおかしい原因がわかってにんまりご満悦です。いい笑顔がたまらんです。

 

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しかし高山と再び戦になりそうです。永禄二年に滅びたとされる羽木家…唯は若君の命を守ろうと必死です。そんな時、唯が如古坊にさらわれて惚れ薬を飲まされます。高山家と内通している成之さん(若君の腹違いの兄)が、口封じに唯を自分に惚れさせようという作戦です。

目が覚めたものの、混乱して成之さんと若君と間違えて近づく唯。そこへナイス漫画的タイミングで唯を探していた若君が入ってきます。

唯と成之さんの距離が近くて固まる若君…若君のこんなリアクションは初披露?成之さんの元から唯を連れ戻して唯にめっちゃ怒る若君と、訳がわからずびびる唯。

数日たって冷静になった若君は如古坊を捕まえて事情聴取します。

 

「若君があんなに怒るなんて…自分が何をやらかしたのか全然わからんし…」「まあ怒った顔も超素敵だったけど…」

落ち込んでてもブレない唯が大好きです(笑)そこへ若君が来ます。

 「わけも知らず腹を立ててすまぬ 許せ」

「…どうやらわしも嫌なのだーー」

きゃ~~!若君も嫌なのね!唯が他の男といちゃついてたら!

 

その後、若君は高山と内通していた成之さんに、もう自分は戦をしたくないので跡目を成之さんに譲ると宣言します。次の高山との戦を最後にするとのこと。これって今後の大きな伏線ですよね…

 

そして満月の日…そう!唯が現代に帰る日!燃料が最後なので、もう戦国時代には帰って来られないと知っているのは若君だけですけど…

若君リクエストで唯は女姿なのが可愛いです。そんな唯に若君が告げます。

「生きて新年を迎え 運命を変えて見せるぞ」

「わしが歴史を変えることができたかどうか お前も先の世で見ていてくれ」

つまりもう一緒の時代には生きられないという若君に対して、戦国時代で次の戦にも付いていく気満々の唯。噛み合っていないけど、若君は最後まで嘘を通す覚悟のようです。

 

馬から抱き下ろしながら若君は唯を見つめるんですが、そのまなざしに私の胸が締め付けられる!若君の気持ちを思うと…!そして若君は唯へ手紙を渡し、最後に言います。

「この世に わしの前に来てくれたこと 心より礼を申す」

「お前のことは生涯忘れぬ」

また戦国時代に戻るつもりの唯にはさっぱり通じてないのがもう切ないです。

若君の笑顔にきゅんきゅんしながら、のんきに唯は消えていきます…

そして唯がいなくなった空中を見つめる若君の後姿が…!もう涙!涙!

 

現代に帰った唯は、弟の尊からもう戦国時代へは行けないことを聞いてショックを受けます。若君からの手紙は、嘘をわびて、自分も生き抜くから見ていてくれという内容でした。

もう若君に会えない辛さでいろいろと迷走する唯ですが、歴史の新事実が発見されたことを知ります。永禄三年の四月付けで松丸家と羽木家の縁談の手紙でした!

そう!歴史が変わって永禄二年を生き抜いた若君松丸阿湖姫の縁談です!

何としてももう一度戦国に行かねばと唯が走り出す場面で終わりです。

5巻は山場である二人のお別れ以外にも盛りだくさんの巻でした。

多くの漫画にヒーローとヒロインのお別れシーンは出てきます。そのなかでもアシガールの場合は森本先生の絵柄がさっぱりしてくどくなく、お別れシーンでの心理描写もないため、登場人物の寂しい気持ちが押し付けがましくなく伝わってきます。

…きっとこれでお別れなんてないとは思いますが…唯が現代に帰ってから、若君の登場場面がないので私は唯と一緒に喪失感を味わっています…寂しい…

さすが森本先生は上手に読者を盛り上げるな~とうなされた5巻でした。

2015年8月25日発売のアシガール6巻が楽しみです!

 

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